2016年7月25日月曜日

soboの展示が終わって三週間すぎました

※facebookに投稿した内容と同じです。
https://www.facebook.com/iimio/posts/10206955823674743?notif_t=like&notif_id=1469375957302802

soboの展示から3週間も経ってしまった…

展示では今個人でやってる制作の途中経過的なものを発表しました。コンビニやスーパーなどで販売されているチキンからDNAを採取してオスかメスか判定して図録的に記録を残していくということをやろうとしていて、最終的には本という形態でまとめようと思ってます(場合によっては別形態になるかもしれませんが)。soboでの展示に本を展示するのはさすがに間に合わなかったので、ポストカードにして販売する形態にしました。

以下展示会場で配布したコンセプトシートのテキストです。

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そもそもコンビニの店頭で売られているフライドチキンに魂はあったのか、と考えたことがきっかけだった。他の動物と同じくらいの生命としての情報を持っているはずの鶏肉だが、生命であったときのことを消された、ただ消費されていく物質のように見えた。同じ鶏でも観賞用として飼われている鶏と食品用になってしまった鶏はどこでここまで差がついてしまったのか。
そこでフライドチキンのDNAからどこまで生きていた時の情報が得られるか、広島大学家畜育種遺伝学研究室の都築先生にお話をお伺いした。鶏のDNAから分かる情報というのは哺乳類に比べて圧倒的に少ないのだそうだ。そして真っ先に判定できるのが性別であると教えて頂いた。性というのは、生物が持つ様々なアイデンティティの中で限りなく上位にある要素なのだ、だから真っ先に判定することができる。
性別というものが生まれたきっかけは、子孫を残し、種を存続させるという生物の持つ本能的なものから、全滅のリスクを軽減させるためにできたと言う。性別は生き物にとって種類とか国籍よりも以前から存在し、最前面で認識される。
普段何気なく購入し口にしている鶏肉の、生産地や品種を気にすることはあるのに性別についてあまり考えて来なかったということは不思議な盲点であった。今回展示、販売しているポストカードは、そんな彼らの無視され続けている性別を再認識させる。鑑賞者は普段チキンを購入するときとは違った視点でポストカードを選び購入することになる。

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+補足すると、世の中の食にまつわるパラドックスを暴きたいとか、そういうことをしたいわけではなく。最初はチキンのDNAからもっと沢山の、彼らのアイデンティにつながる情報が得られるかと思いきや、むしろほぼない状態だということが分かり、現在のバイオの技術をもってすれば何でもできると、科学を過信していたのだなと思い知らされたわけです。そんな中で分かる数少ない情報の一つが性別で、それをしつこく調べていくことで何か発見があるんじゃないかと、仕事の合間に実験を続けています。

今回やって良かったと思うのは、自分の手でDNAを採取して実験できたこと。お金を払って誰かにお願いすることもできたかもしれませんが、やはり自分でやることで見つけられた発見がいくつかありました。そういう数々の発見が最後作品としてきちんとまとめられればいいなぁと思ってます。こういう機会を与えてくれた岩崎さんには本当に感謝です。

日々ドローイングを描くように、粛々と判定実験していきますー

しかし何でこうアーカイブまとめるのがいつも遅いんだろう。。いつぞやのMaker Fairでへその緒ケーブル発表したときも、展示後のんきに構えていたら、矢野さんがあげた動画が一気にバズっちゃったんだよな〜、とほほ

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